うつ病と自律神経失調症を考えるB
身体を冷やすより温める方が健康には良いというのは一般的にも知られた考えだと思います。では、それがうつ病や自律神経失調症などと関係があるのでしょうか?
まず体温というのは身体の表面の温度と内臓などの深部の温度に分かれます。表面の温度は通常温度計を脇に挟んで測るもので、深部温度は耳の中や直腸から測ることができます(直腸は自分では難しいです)。表面の温度は気温や運動などによって変化しますが、深部温度は通常あまり変化がありません。体温というのは脳の中の視床下部というところが暑さや寒さの情報を受け取って自律神経をコントロールして血管を収縮させて熱を逃がさないようにしたり、拡張させて熱を放出したりすることで変化します。先程も述べましたように、体表とは違って深部の温度はあまり大きくは変化しません。しかし、この深部温度のわずかな変化が自律神経のコントロールに重要だという主張もあります。
自律神経というのは内臓の働きや血管の太さや分泌物の調節などを無意識に行います。つまり無意識ということは毎日の習慣による私たちの生活態度によって視床下部から自律神経への調節の度合いが変わってくるということですね。
ではどういう習慣が体温を下げるのでしょうか。
・よく冷房にあたる
・乳製品、コーヒー、緑茶、夏野菜、温かい地方特有の食べ物、ビール、水分の過剰摂取
・塩分不足
・運動不足
・過剰なリラックス
・過剰なストレス
・喫煙
などです。
自律神経のうちの交感神経が過剰に働くと血管が収縮したままで血流量が減って冷えを起こします。働き過ぎやイライラなどのストレスが強い方はこのタイプだと考えられます。副交感神経が過剰に働くと血管が拡張し続けて、血液の流れが停滞しこれも冷えの原因になります。贅沢な食事やケジメのないダラダラとした生活や周りの事を気にしない自己中心的な方はこのタイプが多いと思います。ただし、自分では冷えを感じていないという場合もあるようです。またその場の環境に合わせてその二つの神経のどちらかが過剰に働き合うというタイプもあるようです。身体は常にバランスを取ろうとしますので、複雑に代償し合うと考える方が自然なのかもしれません。
こうやって考えてみると、体温の変化も自律神経のコントロールによる結果であり、低体温も自律神経症状の一つといえるかもしれません。低体温だからうつ病になるのかうつ病の人は結果的に低体温になってしまうのかは、まだ根拠をもって説明することはできないと思います。
しかし繰り返しますが、生活の習慣が自律神経の働きに影響するのであれば、体温を正常に保とうとする習慣が自律神経の乱れを無くしていくという事は考えられるのではないでしょうか?
自律神経にいい影響を与える生活習慣
・早寝早起き(長く寝ても遅寝遅起きは自律神経を乱します)
・少し汗をかくぐらいの適度な運動
・冷暖房に頼りすぎない生活(我慢のし過ぎはよくありません)
・禁煙
・水分を摂り過ぎない(2?は多いと思います)
・根菜類を食べる(生ではなく火を通したり漬物にしたもの)
・糖分をなるべく摂らない(炭水化物や砂糖は精製していないものがいい。玄米や甜菜糖など)
・緑茶やコーヒーよりも番茶や紅茶にする
・食塩でない塩分を摂る
・半身浴、岩盤浴
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